生きる証し


1月2日 外海サンセット道路を走って来た、夕陽が沈む情景を新年に見るのも可笑しな事だが
新しい年ごとに終着駅に接近し心身の疲弊か眩しい朝陽よりも夕陽の方に魅かれる。
外海海道に兄弟と母の墓があり通りすがりに心中で合掌、長兄は19年前享年64歳、弟は3年前で享年63歳で有った、私は既に彼等より13年長生きし現実社会で右往左往、煩悩に悩まされ死生観は持っているが覚悟は半熟でご昇天は敬遠したいと正直思っている。
外海の相撲灘に沈む夕日の遥か向こうは五島列島、禁教時代この海を渡り対岸の島に新天地を求め世界遺産を構成する歴史を作った、4,5km海上には近代日本の産業基盤に大きく貢献した池島炭鉱が浮かぶ、地政学的には何が欠けても成立しない構成資産ではなかろうか。
海が有り島が有り自然と共に生きた人々生活の歴史がこの地域に有る、彼等もまた疲れた身体を
雑木にもたれ乍、この夕日を見て心癒した事であろう。
自然は黙して語らないが歴史を遺して後世の人間にメッセージを送る、あと何年生きるか定かではないが残された時間は生きた証を立てる為に使う必要が有りそうだ。
写真は外海町相撲灘に沈む夕日、海上は池島、100km先が五島列島