思考力も磨けば輝きを増す。


プロ野球もオフに入り「FA」宣言した選手の動向と契約更改の査定額で盛り上がっている。
私が広島ファンになり、かれこれ60年になるが「広島の野球」は昔から余り変わったような気がしない。
昔の記憶では万年最下位の「泥臭い球団」が満身創痍で強大な都会の有名球団に挑戦する構図であった。
今季、広島は圧倒的強さで球団創設以来3年連続リーグ優勝を果たしファンの夢に応えた。
広島ファンは地方の苦労人が多いと思う、広島の栄光を見ずに鬼籍の人になったファンを知つているが彼らが生きていればどんなに喜んだことだろうか、残念である。
今オフ、FA宣言した主軸の「丸選手」が巨人に破格の契約金で移籍した。
巨人は宿敵の主砲を獲得、広島に大きなダメージを与えたことは戦力以上の効果が多大と計算したのだろう。
客観的にはそうだろうが、果たして結果はどうであろうか。
野球評論家の落合博満氏は広島の4年連続セリーグ優勝を予見した、その根拠は広島には「強さを感じさせない強さがある」。
育成選手を2軍で徹底的に鍛え上げ這い上がって来た者で1軍が構成され、所謂、根性も技術も基礎は出来ており簡単に崩れることが無い、そして何よりもチームの勝利を第一にして互いに一丸になり勝利を取りに行く、1軍昇格して崩れない層の厚さを持っている、と私は見る。
おれ流スタイルの名選手、名監督は落合氏の代名詞、奇人的には好きではなかったが彼の采配で洞察力、判断力は畏敬に値し、味が有る。
彼はベンチで静かに戦局を観察、心で読みとり、タイミングを外さない、勝つ采配を下し勝つべくして勝つ。
決して感情や時々のエラー位で直ぐ交代させなかった、セオリー通り、堅実に守り相手の隙を攻めて勝利した、負けない戦法である。
何事も静観正視すれば内面まで透視でき、頭脳が働いてくれる、広島の神通力も落合氏の戦法戦略も全て蓄積された思考力による処が大きいように思える。