人知らずして搵らず(怒らず)


年と取ってくると論語が身近になってくる。
代表的な論語が「老いては子に従え・・・」であろうか、2500年前の人生訓が現在でも脈々と生き光沢を放ち生きる手立てになっている。日本人は勤勉な民族であるから「孔・猛・老」が説く人生論語が好きなのだ。
人知らずして温らず(怒らず)は「自分の事を相手が知らないからと、怒ってはいけない」という事らしい。
兄弟身内、親子夫婦でも「俺の事を全然わかっとらん」と感情的になり殺傷事件に発展する場面があるが、他人はさておき身内の諍いこそ「骨肉の争い」で悍ましいものはない。
最近、高千穂で親子6人殺害事件があり、容疑者の次男が自殺したが、これなど典型的な事件である。
過度な期待をしたり、人間関係に執着するあまりこのような痛ましい事件が多発する。
他人が理解できないのは「当たり前」、どうかしたら自分自身でさえ分別を失えば分からなくなる。
「老いては子に従え」も日本人がよく好む代表的な論語である、古代〜近世に至る時代は家族社会で農耕も狩猟も大家族で維持してきた歴史がある、2,3代が同居する家族社会では子供が大人になれば政権交代で権限移譲するのが動物社会の慣習でもある。
然し乍ら現代は核家族社会になり「親子がバラバラ」に暮らし、自分の価値観で暮らす構造では、この論語の教えは当たらない、親子は互いに依存せず独立した関係が望ましい。
私は親子であればなおさら互い人格を尊重、「立場と部を弁えた」大人の付き合いが肝要と考え、そのスタンスで生きている。