「田中角栄」生誕100年に想う。


BSの昭和偉人伝番組で田中角栄生誕100年を記念し特番が放映された、戦後最大の宰相にして最も不幸な最期を迎えた宰相とも言える人物。
高度成長期に最大派閥を率いて君臨した彼を天下の闇将軍とも評した、同時代を生きて彼の政治手腕を見て来たが本物の政治家、それに比べ現在の政治家はなんと貧弱矮小な事か、私にさえそう見えるので識者にはもっと脆弱に見えるだろう、辛口のコメンテーター、田原総一郎、大宅映子氏も異口同音に嘆いていた。
田中角栄の偉大さは義理人情に厚く叩き上げの苦労人が総理大臣になった事だろう、67歳で脳梗塞を患い、75歳で逝去、早25年の年月が流れた。
我が家の庭で生まれ育った蝉たちが日中うるさく、深夜、書斎で仕事をしている耳にも幻聴が聞こえる・・・。
戦国時代、天下を取った太閤秀吉、辞世の句は「露と落ち、露と消えにしわが身かな、浪速の事は、夢のまた夢」であった、いくら栄華を極めても人生もこの世も全て儚く虚しいと嘆いている、今太閤と称された田中角栄も同じ思いでなかったろうか。
地中で長い耐久生活を送り地上に出現できた時に最期を迎えることになる、これも無情にして無上の無常、自然界の営みに照らせば蝉の一生も人の一生、大尽も乞食も同じ運命という事になる、些細な事に一喜一憂する事ほど無駄な事はないようだ。
    
                   《写真は我が家で生まれた三世か四世の蝉》