夕映えの通天閣「大阪旅情」


フランク永井の「大阪ぐらし」そのまま、赤い夕映えの中に聳える「通天閣天王寺に宿を取り西成、天下茶屋の夜を散策、かれこれ50年ぶりだろうか、天王寺(阪南町)で生まれ天下茶屋で幼児期を過し五島福江に疎開した私には天王寺動物園の記憶は無いが亡母から生前この界隈の事を聞かされていたので懐かしい、通天閣は西成釜が崎と同様に改築リニューアール、新生「大阪」に衣替えしていた、表通りに愛燐地区の面影はなく僅か裏通りに何かしら昔風の一杯飲み屋の暖簾があり戦時中の事を想像した、
大阪の匂いを嗅ぎたくて居酒屋で串カツを注文し焼酎を飲んだ。
31日に長崎空港から関空経由で京都・大津・米原まで行きその日の内に大阪天王寺まで引き返して来た、大阪は青年時代、短期間ではあったが吹田・高槻・等、我武者羅に突っ走っていた思い出に残る土地柄が多い。
独酌をしながら、大阪は兎も角、通天閣を訪ねる事はあるまいと感傷的にもなったが客の出入りが激しい居酒屋の雑踏で直ぐ吹き飛ばされた。
翌日は富田林に行き、河内長野経由で関空から帰路に着く、私自身にとっても関係深い地縁の土地を図らずも訪ねる事になり人生行脚回想、遍路気分になった今回の出張である。