空蝉の暗示


「梅雨のあとさき」に庭の樹木の土中から夜な夜な蝉の幼虫が等身大の穴をあけて出現、
私に夏の訪れを告げる使者である。
よくよく観察していれば樹木で脱皮に成功し7日間の生命を全うできるのは6割程度で土中から運よく出てきても猫に襲われたり明け方にカラスのエサになったり脱皮場所を確保できずアリの餌食になったりと、一様ではない。
セミの抜け殻が樹木のアチコチに点在し旅立った証を見れば元気で使命を果たし自然界で往生出来ることを応援してやりたい気分になる。
人間社会は参議院選挙活動の最終日で候補者が声をからして支持者に最後の訴えをしているが、自然界の法則で測れば蝉も人間も大して変わらないのに・・・。
人間のほうが地位や名誉に惑わされてアクセク、哀れである、見方を変えれば漫画的、滑稽で哀れに思えてくるから不思議、人間の欲望が自然界の法則を破壊している。
来年も再来年も親蝉が幼卵を庭先に産み落とし生命循環が繰り返される、輪廻転生は自然界の超精密法則。
・・・・・セミの抜け殻に暗示を受ける、初夏のひと時。