「日本の人口は3億6000万人」

司馬遼太郎の著に「この国のかたち」と言う本がある。
「街道を行く」がライフワークの著であるが「この国のかたち」も歴史作家ならではの思考と眼力で看破し、現在に生きる者には考えさせられる本である。
この国の政治迷走は最早、日常的で日本全国に蔓延している、永田町も時津町も国会か地方議会かの違いだけで大同小異である。
この国の悲劇は将に政治が貧弱な事ではなかろうか、
 外交にしても日中問題靖国参拝、日韓問題の(EEZ排他的経済水域北朝鮮拉致問題、何ら進捗を見ない、逆に悪化している。
憲法9条は与党内部でも議論は2極構造、教育基本法も世論は民主案を評価している

そもそも日本の道徳観念、社会倫理は何処に消えたのか、高度成長化〜バブル崩壊で蒸発したのか、今日の事件を見るに付け、喪失したモノの多大さに衝撃を受ける。
堺屋太一「日本とは何か」も遼太郎の「この国のかたち」と合わせて読めば面白い
「日本とは何か」の中で日本の精神文化、特に宗教観念から分析したら日本の人口は
3億6千万人になるという。
ツマリ日本人は、七、五、三や結婚式を神道でし、クリスマスにはキリスト教に習う最後には仏寺で葬式を為す、世界中、探してもこんな多信仰民族はいない。
この国民性が明治維新の改革時には柔軟に作用し西欧化をいとも簡単に為し、あの敗戦の焼け跡から奇跡の復活を為し経済大国を作る原動力になったのではないか。
面白い民族ではあるが「この国のかたちなき形」が瓦礫の如く崩壊する音が聞こえてくる。